食後の“おなか”が動く反射:胃結腸反射とは
みなさんこんにちは。当院は「おなかクリニック」であり、胃腸に関してさまざまな症状を認める方が多く来院されます。その中で多くある質問の中から一つを本日は解説します。
皆さんは食事を食べたあと、胃腸はどのように動くかご存じですか?
胃に食事が入ると食べ物は2時間程度胃の中でとどまり、胃酸による消化を受けます。胃の次にある十二指腸や小腸、大腸といった臓器は胃に食べ物が入った刺激で蠕動(腸の動きの事)を開始し、順次肛門付近へと消化した食べ物を進める様にしています。
※あくまで順次進めて行きますが小腸だけで5~6mの長さがあるので、すぐには便にはなりません。
この胃に食べ物が入ったあとに腸が動く反射の事を「胃結腸反射(結腸:大腸のこと)」と言います。もし胃に食べ物が入ったのに小腸や大腸がまったく動かなければ胃で食べ物が溜まってしまいます。
一方、便は主に夜間に肛門に近い直腸からS状結腸付近に溜められます。
多くの方は朝食を食べたあと、主にこの「胃結腸反射」によって便意をもよおし、夜間の間に直腸からS状結腸に溜められた便の排便に至ります。
・「食後におなかが痛くなり排便に至るのは大丈夫か?」
・「昼食後にも便意がある」
・「朝排便があったのに、1時間後に便がしたくなる」
これらに関しては病気の可能性は低く、朝の排便で不十分な排便となり残存してしまった便が、胃結腸反射によって再度便意が出現しているものと思われます。
その他、気になる症状がある方はご相談ください。